顧問先企業様での管理職向け研修

開催日時:
2017年04月04日
セミナー分類:
企業法務
主催:
顧問先企業様
講師:
三井 伸容 三井 伸容のプロフィール
開催会場:
顧問先企業様

顧問先企業様での管理職向け研修

セミナー報告

弊所顧問先企業様にて、管理職様向けの研修を行いました。
具体的な裁判事例をもとに解説しました。

1 職場のハラスメント問題
(1)セクシュアルハラスメント
①セクハラが与える会社への悪影響
②セクハラ上司への会社の処分は厳格化傾向(事例紹介)
③上司のミスで会社も巻き込んだ裁判に(事例紹介)
④自分が加害者でなくても対応には注意(事例紹介)
(2)パワーハラスメント
①パワハラの例
②パワハラが与える会社への悪影響
③パワハラの判断基準(事例紹介)
④パワハラを起こさないためには? 
(3)マタニティハラスメント・パタニティハラスメント
①そもそもマタハラ・パワハラって?
②平成28年3月3日育児介護休業法の改正
③マタハラ・パタハラを起こさないためには?
2 過重労働とその関連問題
(1)過重労働問題と最近の傾向
(2)ダメな残業パターンとその対策
(3)時間外労働の管理をどうするか
(4)部下の不調に注意
(5)課長のマネジメントミスにより会社が損害を被ったケース(事例紹介)

本セミナーに関連する質問と回答

Q どのような場合は労働時間にあたるのでしょうか?
A 「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン(平成29年1月20日策定)」は、次のように定めています。

労働時間とは、使用者の指揮命令下に置かれている時間のことをいい、使用者の明示又は黙示の指示により労働者が業務に従事する時間は労働時間に当たる。

そのため、次のアからウのような時間は、労働時間として扱わなければならない。

ア  使用者の指示により、就業を命じられた業務に必要な準備行為(着用を義務付けられた所定の服装への着替え等)や業務終了後の業務に関連した後始末(清掃等)を事業場内において行った時間

イ  使用者の指示があった場合には即時に業務に従事することを求められており、労働から離れることが保障されていない状態で待機等している時間(いわゆる「手待時間」)

ウ  参加することが業務上義務づけられている研修・教育訓練の受講や、使用者の指示により業務に必要な学習等を行っていた時間

ただし、これら以外の時間についても、使用者の指揮命令下に置かれていると評価される時間については労働時間として取り扱う。

関連情報

Q パワハラとは何ですか?
A 正式にはパワーハラスメントといいます。パワーハラスメントとは、職場において行われる①優越的な関係を背景とした言動であって、②業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、③労働者の就業環境が害されるものをいいます。

客観的にみて、業務上必要かつ相当な範囲で行われる業務指示や指導は、職場におけるパワーハラスメントには該当しません。線引きが難しいので、管理職が過度に委縮しすぎないよう注意が必要です。

Q パワハラが起きた場合、会社はどうなりますか?
A 会社内部の問題にとどまらず、民事上の責任や、公法上の責任を問われる可能性があります。業務とハラスメントの関係性が極めて薄いような例外的な場合でない限り、加害者だけではなく、雇用主である会社も損害賠償責任を負います。

会社としてハラスメントを防止できなかったことにつき、会社独自の損害賠償責任を負う場合もあります。

ハラスメントに関する各種法令上の体制整備等ができていない場合、違反に関する行政指導等を受けるおそれもあります。

Q セクハラとは何ですか?
A 職場において行われる労働者の意に反する性的な言動により、労働者が労働条件について不利益を受けたり、就業環境が害されることをいいます。
Q マタハラとは何ですか?
A 特に法令上の定義があるわけではありませんが、職場の妊娠・出産・育児休業等ハラスメントを指すことが多いです。

「職場」において行われる上司・同僚からの言動により、妊娠・出産した「女性労働者」や育児休業・介護休業等を申出・取得した「男女労働者」の就業環境が害されることをいいます。

参考リンク