ジョイントベンチャーと金庫株の利用方法について
- 開催日時:
- 2003年01月04日
- セミナー分類:
- その他
- 主催:
- あさひ・狛法律事務所
- 講師:
- 大澤 一郎 大澤 一郎のプロフィール
ジョイントベンチャーと金庫株の利用方法について
本勉強会に関連する質問と回答
- Q 金庫株とは何ですか?
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- 株式会社が発行済の自社の株式を株主から買い戻し、自社で保有している株式です。
- Q ジョイントベンチャーとは何ですか?
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- 複数の異なる組織が共同で事業を行うことを指します。新しい株式会社を設立して事業を行うことが多いです。「合弁事業」(ごうべんじぎょう)とも言います。
- Q 合弁契約で注意すべき事項にはどのような事項がありますか?
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- ①組織形態の選択、②出資比率、③重要事項の決定方法などに特に注意すべきです。
- また、④従業員を確保する方法、⑤知的財産権の処理、⑥競業禁止、⑦株式の譲渡制限なども注意すべきです。
- Q ①組織形態の選択についてはどのようなことに注意すればよいですか?
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- 新会社を設立するか、既存の会社を利用するかという点を決める必要があります。
- 新会社を設立する場合、株式会社、合同会社、LLP(有限責任事業組合)などがあります。一般的には株式会社が多いでしょう。
- 既存の会社を利用する場合、決算書等に記載のない偶発債務がある可能性がありますので注意しましょう。
- Q ②出資比率についてはどのようなことに注意すればよいですか?
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- 50%を超える出資の場合、大幅に権限が強くなります。また、3分の2以上の出資の場合、会社経営において重要な事項も含めてある程度多数株主が自由に決めることができます。
- 50%未満の出資の場合、取締役の選任権など会社経営において特に重要な事項については一定の権限があるということを株主間の契約で決めておいた方がよいでしょう。
- Q ③重要事項の決定方法についてはどのようなことに注意すればよいですか?
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- 取締役の選任解任、株式の譲渡、その他会社経営に際して重要と考える事項につき、株主間の契約で可能な範囲で事前に決めておいた方がよいでしょう。
- 例えば、取締役の選任解任については、少数株主にも一定の権利を認めるよう株主間契約で定める方法などがあります。
- また、例えば、株式の譲渡については、株式の譲渡をする場合、株主間での譲渡を優先させるように株主間契約で定める方法などがあります。
- Q ④従業員を確保する方法についてはどのようなことに注意すればよいですか?
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- 出資をした会社がそれぞれ従業員の準備をするということを事前に決めておくのが望ましいでしょう。
- 新規に従業員を採用する場合、うまく採用できなかったり、出資した会社のノウハウや知識がうまく利用できなかったりすることもあります。
- Q ⑤知的財産権の処理についてはどのようなことに注意すればよいですか?
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- 出資をする会社が有する知的財産権について、新会社との間で適切な契約を締結しましょう。
- 新会社で新たに発生する知的財産権について、発生時の処理を可能な限り事前に決めておきましょう。なお、新たに発生する知的財産権については、会社と従業員のいずれに帰属するのかという問題もありますので可能な範囲で事前に決めておきましょう。
- Q ⑥競業禁止についてはどのようなことに注意すればよいですか?
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- 出資をする会社が合弁会社と同種・同類の事業をしてよいかどうか、事前に範囲を決めておきましょう。
- Q ⑦株式の譲渡制限についてはどのようなことに注意すればよいですか?
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- 合弁会社の株式を自由に譲渡しておいかどうか事前に決めておきましょう。
- 譲渡制限株式とする場合、譲渡に関するルールを決めておきましょう。例えば、譲渡に関しては他の株主と優先的に交渉をすることを決めておくなど、法律の通常のルールとは異なるルールを決める方法もあります。