<内容>
千葉県の不動産会社様を対象に、従業員の独立・競業問題と、中途採用のコツを解説しました。実践的なテーマだったこともあり、アンケートに、「明日からすぐに実践します」というコメントをご記入いただいた方もいらっしゃいました。
セミナーの概要は次のとおりです。
<概要>
第1 不動産業で意外とよくある従業員の「独立、競業」に関するトラブル
- 1 裁判事例のご紹介
- ・事例①…従業員として在籍中、売買仲介等取引に関し、従業員の肩書で他社の媒介契約に関与したり、他社の従業員の肩書や担当者として各媒介業務で中心的役割を果たし、その対価として他社から個人的報酬を受けていた事例
- ・事例②…会社在籍中に会社PCから自分の個人PCに社内の賃貸・建物管理業務に関する情報を転送し、在職中に同業種の別会社を設立して取締役に就任。部下も3名ほど別会社に入社してしまった。別会社から顧客にダイレクトメールを送信する等の営業活動を行い、別会社との契約へと切り替えられてしまった事例
- ・事例③…取締役が辞任後、別会社を立ち上げ、同社に営業成績トップの社員が入社してしまった事例。
- ・事例④…在籍中に退職後も秘密を保持する旨の合意をしたのに、会社在籍中に売却依頼があった顧客について、退職後に別会社との専任媒介契約を締結して売買契約を成立させた事例
- ・事例⑤…退社後に顧客に勧誘をした事例
- ・事例⑥…退職時に会社(不動産管理)に無断で顧客の不動産の鍵を持ち出し、他社入社後に同社社長と一緒に当時の顧客に退職の挨拶回りをし、顧客の意向を確認して返却希望の顧客には鍵を返却、他社への引継ぎを希望する顧客はそのまま引き継がれた事例
- 2 上記事例から導かれる反省点とは?
- ⑴ 書類「作成」の不備
退職後の競業避止・秘密保持に関する契約上の根拠(就業規則、誓約書等)がない場合は早急に作成する必要がある。
- ⑵ 書類「内容」の不備
せっかく上記書類を作成しても労働者の職業選択の自由を過度に制約するものとして有効性に問題が生じるケースがある。
- 競業避止に関する合意をする際の条件のポイント
- 競業避止義務、秘密保持義務に関する定めの記載例
- ⑶ 事後対応の不備
- 顧客への対策と従業員への対策両方が必要
- 秘密の管理体制(きちんと管理されていないと秘密として保護してもらえない)
- 不当な行為に関する証拠の確保
- ⑷ 上記を各ポイント踏まえた体制チェックリスト
- 3 解決までの対応例
- ⑴ 情報収集・証拠確保
- ⑵ 通知書の送付・交渉
- ⑶ 訴訟
- 4 怪しい社員に気づいたら・・競業などに関する証拠の掴み方とその後の攻め方のポイント
第2 失敗しない「中途採用」のコツ
- 1 中途採用の基礎知識
- ⑴ 中途採用の現状
- ⑵ 新卒採用との違いは?
- 一般的な観点での違い
- 弁護士から見た違い(中途採用こそミスマッチの可能性が高いことなど)
- 2 ミスマッチを防ぐために会社がすべきこと
- ⑴ 採用の自由について
- ⑵ 面接時に聞くべきでないこと(職安法、男女雇用機会均等法等)
- ⑶ 面接時に聞くべきこと
※採用面接質問票(サンプル)のご紹介
- ⑷ どのような条件を設定すべきか(試用期間,給与等)
- 3 トラブル発生!会社は何をすべきか?
- ⑴ 労働者が経歴を偽っていた場合と裁判例を踏まえた対応
- ⑵ 能力的に「今一つ」な労働者と裁判例を踏まえた対応
- ⑶ 前社の競業避止義務に違反していることが発覚した場合と裁判例を踏まえた対応