空地・空家に関する共有問題の解消 ~「空地・空家問題」と「共有問題」を解決して不動産の有効活用を促進する

開催日時:
2019年02月21日
セミナー分類:
不動産
主催:
一般社団法人千葉県宅地建物取引業協会東葛支部
講師:
大澤 一郎 大澤 一郎のプロフィール

空地・空家に関する共有問題の解消 ~「空地・空家問題」と「共有問題」を解決して不動産の有効活用を促進する

セミナー報告

<内容>

1 空地・空家問題の解決
(1)空地・空家の問題点の具体例
(2)空家等対策の推進に関する特別措置法と具体例
(3)空地・空家の有効活用と具体例
(4)空家の売却方法と具体例
(5)統計データ等から見る有効活用の必要性
(6)空地・空家問題解決のまとめ
2 共有問題の解決
(1)共有の問題点と具体例
(2)共有の解決方法の分類と具体例
(3)共有物分割訴訟による解決方法と具体例
(4)共有持分の放棄による解決方法と具体例
(5)共有者が行方不明の場合の解決方法と具体例
(6)空地・空家問題解決のまとめ

本セミナーに関連する質問と回答

Q 空家等対策の推進に関する特別措置法とは何ですか?
  • 空家に対して、除却、修繕、立木竹の伐採等の措置の助言・指導・勧告・命令を役所が行うことができる法律です。
  • 一定の場合、役所が強制執行することも可能です。

【解説】

  • 空き家問題が深刻な問題となっているため、地方公共団体が空家問題を解決しやすくなる法律となっています。

参照元:空家等対策の推進に関する特別措置法関連情報(国土交通省)

Q 空家はどの位増えていますか?
  • 1988年に394万戸だった空家は、2018年には849万個となっています。
  • 賃貸用の住宅及び一戸建て等の住宅のどちらも空家は増えています。

【解説】

  • 空家は一律に増加傾向にあり、今後も増加傾向にあります。空家の放置はよくない結果を招くことが多いです。早めの対策を心掛けましょう。

参照元:空き家対策の現状について(国土交通省)

Q 共有とは何ですか?
  • 所有権などある一定の権利が複数の主体によって支配・利用されている状態のことを言います。例えば、建物の場合、1つの建物を2人で持っているというイメージです。

【解説】

  • 建物が1つで物理的に2つに分けることができなくても、1つの建物を「共有」することが可能です。
Q 共有の問題点には何がありますか?
  • ①単独で処分できない、②(場合によっては)単独で利用できない、③(場合によっては)単独で修繕できない、などの問題があります。

【解説】

  • ①例えば、共有の土地を売却する場合、共有者全員の同意が必要です。共有者2人であれば2人の同意、共有者100人であれば100人の同意が必要となります。
  • ②例えば、共有物を賃貸して賃貸収入を得ようとする場合、事案によりますが共有者全員の同意がないと賃貸できないことがあります。
  • ③例えば、共有物が台風で大きく壊れてしまったような場合、共有者単独で修繕ができるときもありますが、事案によっては事実上単独での修繕が難しいこともあります。
Q 共有物分割訴訟とは何ですか?
  • 共有物の分割を裁判所に求める裁判です。①現物分割、②全面的価格賠償、③換価分割などの分割方法があります。

【解説】

  • ①現物分割とは、物理的に共有物を分けて共有状態を解消する方法です。例えば、土地であれば2つに分けて、それぞれを単独所有するような方法です。
  • ②全面的価格賠償とは、一方当事者が他方に金銭を支払って共有状態を解消する方法です。
  • ③換価分割とは裁判所の競売手続きで売却を行い、売却代金を分けて共有状態を解消する方法です。

参考情報:共有物分割訴訟による解決の解説

参考リンク