平成25年度倫理研修

開催日時:
2013年08月28日
セミナー分類:
交通事故
主催:
千葉県弁護士会
講師:
大澤 一郎 大澤 一郎のプロフィール
開催会場:
千葉県弁護士会

平成25年度倫理研修

セミナー報告

千葉県弁護士会の研修で大澤が5人のパネラーの1人として弁護士倫理について発言しました。

第1 弁護士の誠実義務

  • 弁護士の誠実義務と相手弁護士に対する真偽の尊重、不利益行為の禁止との関係について
  • 誠実義務の具体的内容
  • 相手の嘘を裁判所に通報する義務の有無

第2 弁護士の守秘義務

  • 守秘義務が解除される正当な理由について
  • 財産的損害発生を回避するための秘密開示の制約について

第3 利益相反行為

  • 利益相反行為の条文適用
  • 利益相反が顕在化したときの具体的な意味

第4 証人汚染

  • 尋問予定者に対するコーチはどこまでが許されるのか。
  • 民事事件における真実義務
  • 尋問予定者が記憶にないという部分について証言内容を一方的に指示又は暗示する行為は許されるか

第5 国選弁護

  • 国選事件と民事事件との関係
  • 示談金を準備するために民事事件を別途行った場合の弁護士報酬
  • 国選事件に付随する裁判を起こした場合と弁護士報酬

第6 その他

本セミナーに関連する質問と回答

Q 弁護士とトラブルにならないようにするためにどのようなことに気をつければよいですか?
  • 契約前によく検討してから契約をしましょう。
  • 具体的には、WEBで検索をして悪い評判や懲戒処分の有無などを確認しましょう。また、相性が悪いとトラブルになりやすいので、弁護士と会った際の印象も大事にしましょう。
Q 弁護士の倫理に関する規定にはどのようなものがありますか?
  • 弁護士法や弁護士職務基本規程があります。

【解説】

  • 弁護士法は、弁護士の使命及び職務、弁護士の資格、弁護士名簿、弁護士の権利及び義務、弁護士法人、弁護士会、日本弁護士連合会、資格審査会、懲戒、法律事務の取扱いに関する取締り、罰則などを定めた法律です。
  • 弁護士職務基本規程は、日本弁護士連合会が制定した弁護士倫理に関する規程です。
Q 弁護士とトラブルになった場合、どのような方法をとればよいですか?
  • 弁護士会の市民窓口への相談、紛議調停申立、懲戒請求などがあります。
  • 金銭の請求の場合、民事裁判を起こす方法もあります。
Q 弁護士会の市民窓口とはどのような窓口ですか?
  • 所属弁護士に関する苦情全般を受付している弁護士会の窓口です。
Q 紛議調停とはどのような制度ですか?
  • 依頼をした弁護士とのトラブルについて、弁護士調停委員が調停を行い合意をめざす手続です。
Q 弁護士の懲戒請求とはどのような制度ですか?
  • 当該弁護士が所属する弁護士会に当該弁護士の懲戒を求める制度です。
  • 懲戒は、弁護士の所属弁護士会が懲戒委員会の議決に基づき行います。
  • 懲戒には、戒告、業務停止、退会命令、除名があります。
Q (弁護士向け)弁護士倫理で迷った場合にはどこに相談すればよいですか?
  • 単位会又は日本弁護士連合会に相談担当弁護士がいたり、相談窓口があったりすることが多いです。
Q (弁護士向け)紛議調停申立や懲戒請求申立をされた場合、どうすればよいですか?
  • 弁護士へのご相談をお勧めします。自分のことの場合客観的な判断が出来なくなってしまう可能性もあります。そのため、適切な第三者の弁護士に相談の上、解決を目指しましょう。
Q (弁護士向け)注意すべきミスにはどのようなものがありますか?
  • 期限徒過が一番要注意です。控訴期限等の各種の申立期限、消滅時効に注意しましょう。
  • 特に、自分がやったことのない手続、自分が経験した回数が少ない手続の場合には手続を開始する前に期間制限を確認しましょう。

参考リンク