共有名義の不動産はなぜ揉める?売却・利用・管理の法律問題

Vol.202
2026年03月号

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目次
「相続コラム『何も相続できないの?-『遺留分』について』」
「法律コラム『共有名義の不動産はなぜ揉める?売却・利用・管理の法律問題』」
「柏事務所ランチ会報告」
「お勧め書籍の紹介」
「ワインが苦手な人のためのワインの選び方」

何も相続できないの?-『遺留分』について

1. 遺留分って何?

遺留分は、相続財産のうち一定割合を兄弟姉妹以外の法定相続人に保障する制度です。これだけですと聞き流してしまいそうですが、相続問題では非常に重要な制度です。

たとえば、被相続人が生前「この人だけに財産全部を相続させよう」と考え、そのとおりの遺言を作成していたとします。すべてその遺言どおりになるとは限らず、一定割合が遺留分として確保されることになります。被相続人の意向は制限されることを意味します。

被相続人の自由な処分に委ねられている部分(自由分)と、兄弟姉妹以外の法定相続人に保障される部分(遺留分)の両方があるとされています。

2. 割合はどのくらい?

「直系尊属のみが相続人の場合は3分の1」「それ以外は2分の1」が遺留分の割合とされています。かなり大きい割合です。個別の遺留分割合の具体例は次のとおりです。

被相続人の親のみが相続人で、ご両親とも健在の場合
  6分の1ずつ
被相続人の妻と子2名が相続人の場合
  妻:4分の1
  子:8分の1ずつ
被相続人の妻と親1名のみが相続人の場合
  妻:3分の1
  親:6分の1

3. 請求方法は?

(1) 「金銭」の請求

遺留分が侵害されている分の「金銭」を受遺者や受贈者など(多くもらった方)に対し請求します。

近年の法改正により、遺留分が侵害されている場合の請求は、金銭請求に限定されました。物や権利に対する請求は行えません。たとえば、被相続人が持っていた自宅不動産そのものを遺留分侵害の請求の対象とすることはできません。

(2) 手続と注意点

話合いで解決しなければ、最終的に民事訴訟によることになります。家庭裁判所の調停も用意されています。なお、審判手続は用意されていません。
注意しなければならないのは、遺産分割とは別の手続であることです。遺産分割調停・審判の中では取り扱ってもらえないことになります(当事者が合意して盛り込む場合は別です)。

相続や遺留分について気になるところがございましたら、お気軽にご相談いただきますようお願いいたします。

(文責 弁護士 堀内 良


共有名義の不動産はなぜ揉める?売却・利用・管理の法律問題

1. 共有名義の不動産はどうして生まれるの?

共有名義の不動産は、相続や夫婦での住宅購入などをきっかけに生じることが多くあります。例えば、親が亡くなり自宅を相続人全員で相続した場合、その不動産は共有状態となります。

取得した当初は特に問題がなくても、年月が経つにつれて「自分が使いたい」「売却して現金化したい」「思い出があるので残したい」といった考え方の違いが表面化し、トラブルに発展するケースが少なくありません。

柏事務所所属弁護士 小西姫

2. 共有不動産で「できること・できないこと」

共有不動産については、共有者であっても自由に扱えるわけではありません。例えば、雨漏り修理のような不動産の現状を維持するための行為であれば、単独で行うことができます。

しかし、第三者に貸す、軽微な改修を行うといった利用や管理に関わる行為については、原則として共有持分価格の過半数の同意が必要になります。

さらに、不動産を売却する場合や、建物の形状や性質を大きく変えるような大規模な改修を行う場合には、共有者全員の同意がなければ進めることができません。

このルールを知らずに話を進めてしまうと、後から思わぬトラブルが生じたり、行き詰まったりすることがあるのです。

3. 売却しようとして初めて分かる問題点

共有不動産の問題が深刻になるのは、その不動産を売却したい場合です。共有者のうち一人でも売却に反対すれば、不動産全体を売ることはできません。

「自分の持分だけ売る」という方法もありますが、実際には買い手が見つかりにくく、希望する価格での売却は困難になることが多いです。

その結果、誰も使わない不動産に固定資産税や管理費だけがかかり続け、頭を悩ますトラブルになることがあるのです。

4. トラブルを防ぐために知っておきたいポイント

共有不動産のトラブルを防ぐためには、できるだけ早い段階で共有状態を整理することが重要です。相続の場面では、誰か一人が単独名義で取得し、代わりに金銭で調整するといった方法も検討するとよいでしょう。

すでに共有となっている場合でも、話し合いや法的手続きを通じて解消を目指すことは可能です。共有不動産は放置するほど問題が複雑になりますので、早めに専門家へ相談することをおすすめします。

(文責 弁護士 小西 姫


【よつばニュース】柏事務所ではランチ会を行っています

柏事務所では昨年10月から「ランチ会」と称する小規模の親睦会が月1回開催されるようになりました。弁護士・事務スタッフを3グループに分け、6名前後でランチをしながら親睦を深める会です。

業務中にはなかなか話せない趣味の話題やプライベートな一面を知ることができ、終始笑い声の絶えない非常に楽しい時間となりました。リフレッシュできたのはもちろん、結束もより深まる会になりました。今後もグループのメンバーを変えながら開催予定なので、次のランチ会も楽しみです。


― 人生を元気で豊かにするお勧め書籍のご紹介 ― 『完全図解 スポーツクライミング教本』 東 秀磯 著

こんにちは。弁護士の安藤孝起です。今回は、最近私が一番熱中し、かつ苦戦しているボルダリングに関する一冊をご紹介します。

1. ギャップに驚いたボルダリングの世界

きっかけは、弁護士会の同期に誘われたことでした。軽い気持ちでボルダリングジムの門を叩きましたが、そこには想像を絶する世界が待っていました。
地上から登っている人を見ているときは「ホールドをつかんで上がればいいだけだろう」と簡単に考えていたのですが、実際に壁に張り付いてみるとそのギャップに驚かされます。数メートル登っただけで前腕はパンパンになり、指先に力が入らなくなります。さらに、自分では手を伸ばせば届くと思っていた距離が、壁の上では果てしなく遠く感じるのです。

2. 筋力以上に「思考力」が問われる

始めてみて気づいたのは、ボルダリングは単なる筋力勝負ではなく、極めて知的なスポーツだということです。どのホールドをどの順序で使い、どのタイミングで重心を移動させるか。一見ランダムに見える石の配置には「正解のルート」があり、それを読み解く作業は、複雑な事件の争点を整理し、解決への道筋を立てる弁護士の仕事にどこか通じるものがあります。

3. 理想と現実、そして「教科書」の存在

もっと効率よく上達したい。そう思って手に取ったのが、本書です。タイトルの通り、足の置き方や身体の使い方が、豊富な図で非常に緻密に解説されています。
……と、意気揚々と読み始めた私ですが、正直な感想を申し上げますと、かなり内容が難しいのです。解説を読み、頭では「なるほど」と理解したつもりになります。ところが、壁の前でそれを再現しようとすると、体が全く言うことを聞きません。
それでも闇雲に壁にしがみつくのと、本書で学んだ「効率的な体の使い方」を意識するのとでは、上達のスピードが明らかに違うように感じます。

4. おわりに

法律の世界でも、最後は現場の経験がものを言うように感じますが、その背後にある「理論」を知っていることが、思わぬ窮地を救ってくれることがあります。ボルダリングも同じ。この「教科書」と格闘しながら、一歩ずつ、一段ずつ、着実に高みを目指して頑張りたいと思います。

(文責 弁護士 安藤 孝起


~第105回 カルディ(KALDI)のお勧めおつまみ~

過去のコラムは当事務所サイトのニュースレターバックナンバーをご覧ください。
当事務所ニューレターバックナンバー

大澤が実際に買っている、カルディ(KALDI)のおすすめのおつまみをご紹介します。

1. 短冊生ベーコンスライス

生で食べられるベーコンです。イタリア料理の材料として「パンチェッタ」とも呼ばれている商品だそうです。何も料理せず、そのまま食べるだけです。塩分と油分がワインとの相性がよいです。白ワイン・赤ワインどちらもばっちりあいます。

2. 上海風スペアリブ

スペアリブの缶詰です。お皿に出してレンジで温めるとより美味しいです。本格的な中華料理の味がします。白ワイン・赤ワインどちらの相性もよいですが、どちらかと言えば赤ワインです。一番のおすすめはブドウ品種メルロー(なめらかな味わい)です。

3. 麻婆豆腐醤(マーボードウフジャン)

「麻婆豆腐の素」です。豆腐と一緒にレンジで温めれば完成です。本格的な中華料理の味です。「スーパーのお惣菜の麻婆豆腐ではない味を楽しみたい」というときにおすすめです。妻の感想は「思っていたより本格的な味」です。

ただ、麻婆豆腐など辛口の料理はワインとのバランスが難しいです。インド料理や東南アジア料理なども辛口の料理が多いので、ワインとのバランスが難しいです。おすすめは、白ワインであればブドウ品種ゲヴュルツトラミネール(品種の独特な香りあり)、赤ワインであればブドウ品種シラー(赤ワインの中でも味が濃い)です。あとは、スパークリングワインも相性がよさそうです。

カルディはワインに合う食材がたくさん売っています。ぜひ一度カルディの食材とワインの組み合わせを試してみてはいかがでしょうか。

(文責 弁護士 大澤 一郎