物流・運送業以外にも影響する？迫る「2024年問題」

物流・運送業以外にも影響する？迫る「2024年問題」

働き方改革に伴い労働基準法が改正され、時間外労働は原則月45時間、年間360時間までと規定されました。特別な事情があって、労使の合意がある場合でも、年間の時間外労働の上限時間は720時間とされるなど、企業の労務管理に大きな影響が生じることとなりました。この規定は、大企業では2019年4月、中小企業も2020年4月から施行されています。

一部の業種（建設業、運送業、医師など）は、その特殊性に鑑みて、一定期間、上記の時間外労働の上限規制の適用が（一部）猶予されていました。ただこの適用猶予は2024年3月いっぱいで終了となり、同年4月1日からは、これらの業種も、時間外労働の上限時間が法律で定められることとなりました。例えば、運送業では、「時間外労働は原則月45時間、年間360時間まで」という基本部分は他の業種と同じであるもの、特別な事情がある場合であっても、年間の時間外労働の上限時間数は「960時間」となります。

令和3年度における厚生労働省の調査によると、年間の時間外労働時間が960時間を超える運送事業者は全体の21.7％とのことですので、少なくともこの21.7％の運送事業者は、労務管理の見直しを行う必要が出てきます。

なお、このような上限規制に違反した事業者には、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金が科される可能性もあります。

2　規制が与える影響

（１）「物流・運送業界」

時間外労働時間が制限されることによって、これまで上限を超えて働いていたトラックドライバーの売り上げが減少するため、その分だけ物流・運送会社全体の利益も減少する可能性があります。また、トラックドライバー自身の賃金も減少することで離職者が増加するおそれがあり、人材不足が加速することも十分に考えられます。

（２）「消費者」

物流・運送会社の利益減少やトラックドライバーの賃金減少に伴い、荷主（荷物の運送の依頼主）は運賃を上げざるを得なくなるかもしれません。そうなると、運賃上昇分が商品の価格に上乗せされることで、最終的に消費者の負担が大きくなる可能性があります。また、労働時間の制限や人材不足によって、ネットショッピングでの当日・翌日配送といったサービスが維持できなくなる事態も懸念されます。

3　どのように対策すべきか

（１）「人材の確保・定着」

物流・運送会社がこれまで通りの利益を維持するためには、トラックドライバーの増員・定着は必須といえます。そのためには、基本給の底上げや賞与の支給、定期昇給制度の導入など、トラックドライバーが働きたくなる環境を整備することが必要です。収入面だけでなく、福利厚生を充実させることなども有効でしょう。ただし、実際の稼働時間が減少する中で、労働条件を維持するためには、荷主企業との運賃交渉が必須となります。

（２）「業務の効率化」

労働時間そのものを削減するために、荷主と連携して荷待ち時間を削減することや、労働時間の長短でなく業務効率を重視する社内評価制度を導入することが考えられます。

（３）その他

物流・運送会社以外ができる取り組みとしては、宅配ボックスを積極的に導入・利用することや、極力まとめて配送を依頼することでトラックドライバーの業務量を減らすといったことが挙げられます。

4　おわりに

2024年問題は、物流・運送会社だけの問題ではありません。我々の生活に必要不可欠な物流・運送業の維持発展のために、この課題に全体で取り組んでいきましょう。

（文責　弁護士　大竹 裕也）

---

---

― 人生を元気で豊かにするお勧め書籍のご紹介 ― 『DIE WITH ZERO』 ビル・パーキンス(著)、児島修(翻訳)

今回の「人生を元気で豊かにするお勧めの書籍」は、弁護士米井舜一郎からご紹介します。

1 「アリとキリギリス」のアリは幸せなのか

夏の間、アリは冬に備えて働き続け、キリギリスは歌って暮らしていた。やがて冬が来て、キリギリスは食べ物を見つけることができず死んでしまう——イソップ寓話「アリとキリギリス」は、将来を見据えて行動することの大切さを教えてくれます。
しかし、著者は次のような問題提起をします。「アリは”いつ”遊ぶことができるのだろう？・・・・・・短い人生を奴隷のように働いて過ごし、そのまま死んでいくのだろうか？」

2 資産を貯めすぎない！

この本で著者が伝えたいことは、お金、健康、時間のバランスを上手くとろうということです。なんだ、当たり前のことじゃないかと思うかもしれません。しかし、筆者の考える理想的なバランスとは、「DIE WITH ZERO」、すなわち「資産ゼロで死ぬ」ことです。
年収が350万円で、死ぬときに資産が500万円あったとします。その状態は500万円分の経験を逃したということ、もっと言ってしまえば1年半タダ働きをしたことと同じであると著者は説明しています。

3 まさに「今」、経験にお金を使おう！ ～記憶の配当～

あの世にはお金を持って行けません。人間死ぬときに残るのは思い出だけです。著者は、経験にお金を使うべきで、そのタイミングは常に今であると説明しています。
なぜなら、経験のタイミングが早いほど、将来にわたって長く「記憶の配当」を受け取ることができるからです。80歳まで生きるとして、30歳で素晴らしい旅行をすれば、そのときの幸せな記憶を50年間受け取り続けることができます。
配当といえば株式投資のイメージですが、こんな身近なところに「配当」という考え方があったとは驚きです。

4 おわりに

書店に行くと、資産を増やそう！という趣旨の本が多く並んでいます。一方で、「DIE WITH ZERO」は、経済的な豊かさを超えて、人生における本当の豊かさを追求しようとしています。新しい発見があると思いますので、ぜひ手に取ってみてください！

（文責　弁護士　米井　舜一郎）

---

千葉事務所 弁護士 米井(よねい)　舜(しゅん)一郎(いちろう)のご紹介

最近のマイブームは？

千葉駅周辺のグルメ開拓

子供の頃の夢は？

自衛官

口癖は？

「なんとかなる！」

得意料理は？

肉じゃが

好きな言葉は？

受けた恩を忘れず

自分を色に例えると？

よく素直だと言われるので、白色です。

自分を動物に例えると？

犬

好きなスポーツは？

軽めのウェイトトレーニング

好きな季節は？

秋です。暑すぎず、寒すぎず、スギ花粉が飛んでいないので好きです。

好きなアーティストは？

カルロス・クライバー（指揮者）、クリスティアン・ツィマーマン（ピアニスト）

好きな音楽は？

クラシック音楽

無人島に一つ持っていくなら…

ナイフ。ナイフがあれば必要な物を作り出せそうな気がします。

好きな雑誌・漫画・本は？

スラムダンク、ワンピース

ストレス発散法は？

トレーニングをして、食べて寝る。

好きなテレビ番組は？

満点☆青空レストラン

好きな映画は？

ショーシャンクの空に

たけのこの里vsきのこの山

たけのこの里をよく食べます。きのこの山も食べます。

休みの日は何している？

外出することが多いです。先日は、花見川サイクリングコースを自転車で走ってきました。

皆様の良きパートナとして、問題解決に尽力いたします。
いつでもお力になりますので、お困りの際はお気軽にご連絡ください！

---

千葉事務所 弁護士 大竹(おおたけ)　裕也(ゆうや)のご紹介

出身地は？
おすすめポイントは

北海道釧路市
海鮮が美味しい、涼しい（夏でも気温が２５℃を超える日はほぼありません）

趣味は？

プロ野球観戦（今年はゴルフに挑戦したいと思っております）

自分の好きなところ

寝覚めが良い

自分の嫌いなところ

出不精なところ。休日は家から一歩も出ない日もあります。

最近のマイブームは？

賃貸情報サイトを見て、どう家具を配置するか想像すること

子供の頃の夢は？

ガソリンスタンドの店員

口癖は？

「なるほど」

得意料理は？

からあげ、筑前煮、豚汁
（「リュウジのバズレシピ」という料理系のYouTubeチャンネルにハマっています）

苦手なもの（こと）は？

カラス（１年ほど前に襲われました）

好きな言葉は？

継続は力なり・ポジティブシンキング

好きな飲み物は？

コーラ、ファンタグレープ、ファンタオレンジ

好きなお酒は？

芋焼酎、白ワイン

好きなスポーツは？

野球

好きな季節は？

海、花火大会、お祭り…夏一択です。

好きなタレントは？

相武紗季さん、仲村トオルさん、千鳥

無人島に一つ持っていくなら…

武井壮さん。強くて頼りがいがありますよね。

ストレス発散法は？

良い映画を観て思い切り泣く

好きなテレビ番組・映画は？

いろはに千鳥（テレビ番組）、そして父になる（映画）

最近感動した出来事は？

阪神タイガースのセ・リーグ優勝（一人部屋で号泣してしまいました…笑）