民法改正により「保証」の 実務が変わります!
- Vol.131
- 2020年04月号
- 目次
- 「民法改正により「保証」の 実務が変わります!」
- 「ファイナンシャルプランナーが説明!お得な制度、NISAとは 」
- 「セミナー情報」
- 「ワインが苦手な人のためのワインの選び方~第32回」
民法改正により「保証」の実務が変わります!
はじめに
皆様も耳にしたことがあると思いますが、今年の4月1日より、民法(債権法の分野)が改正となります。重要な変更点はいくつかありますが、今回は、実務上問題となることも多い「保証」の問題のうち、特に重要な変更点をお話させていただきます。
個人根保証契約の上限(極度額)の定めについて
一定の範囲に属する不特定の債務を主債務とする保証契約(根保証契約といいます)のうち、個人を保証人とする場合には、金額の上限(極度額)を定めなければ、保証契約自体が無効となる(=保証人に請求できない)こととなりました。具体的には、従業員を雇用する際に身元保証人をつける場合や、家を貸す際に保証人をつける場合等が、適用場面になります。これまでは上限を設定する必要はありませんでしたが、今後は、上記のような保証契約を結ぶ場合には、「〇円を上限として」といった文言を必ず入れる必要があり、契約書等の見直しが必要となります。
なお、極度額が高すぎると、保証人の受け手を見つけるのが困難となるため、極度額の金額をいくらに設定するかは、中々難しい問題です。
事業資金の保証について(公正証書の必要性)
事業資金の借入を主債務とする保証契約(根保証契約に限定されません)のうち、個人を保証人とする場合には、保証契約を締結する1か月以内に、公正証書を作成しなければ、保証契約自体が無効となる(=保証人に請求できない)こととなりました。
ただし、①いわゆる経営者保証の場合(会社の債務を理事、取締役、執行役等が保証する場合)、②一定の株式数を有する株主が保証人となる場合、③共同経営者が保証人となる場合、④主債務者の配偶者のうち、現に事業に従事している者が保証人となる場合には、公正証書は不要とされています。
施行日について
2020年4月1日が施行日であるため、4月1日以降に締結される保証契約については、上記ルールが適用されることとなります(既に締結された契約に対して、原則として遡って適用はされません。)。
(文責:弁護士 村岡 つばさ)
ファイナンシャルプランナーが説明!お得な制度、NISAとは
NISAとは
NISAは、 少額からの投資を行う方のための非課税制度です。
たとえば、投資信託に投資した場合、分配金や売却時の譲渡益については課税対象になるのが原則です。しかし、NISAを利用すれば、分配金や売却時の譲渡益について非課税になります。また、iDeCoと違って、60歳になるまで引き出せないなどの制約もないので、何か大きな出費が必要になった時は解約して現金化することが可能です。
NISAの制度について~2つのNISA~
1 通常のNISA
このNISAは、2014年1月にスタートした少額からの投資を行う方のための非課税制度です。日本に居住している20歳以上の方なら口座を開設のうえで利用できます(0歳~19歳の方は、ジュニアNISAという制度があります。)。非課税対象は、株式・投資信託等への投資から得られる配当金・分配金や譲渡益です。1人1口座のみ開設が可能で、非課税の対象になる投資額は毎年120万円が上限で、非課税期間は最長5年間になります。つまり、最大600万円の投資分の配当金・分配金や譲渡益が非課税になるということです。通常、金融商品を運用して生じた利益のうち20.315%が課税されます。そのため、単純計算すると、600万円を投資して、800万円まで増加したと仮定した場合、増加分200万円の20%である40万円ほどがお得になっている計算になります。
2 つみたてNISA
つみたてNISAとは、特に少額からの長期・積立・分散投資を支援するための非課税制度です(2018年1月からスタート)。つみたてNISAの取り扱い商品は、通常のNISA以上に限定されており、長期・積立・分散投資に適した商品のみが選別されています。そのため、投資に関する知識があまりなくても始めやすい制度になっています。利用できる方は、通常のNISAと同じく日本にお住まいの20歳以上の方ですが、つみたてNISAと通常のNISAはどちらか一方しか利用できないという制約があります。
通常のNISAと異なり、非課税の対象になる投資額は毎年40万円が上限で、非課税期間は最長20年間になります。
3 どちらの制度を利用するか?
どちらの制度を利用するかは、利用する人のニーズによって変わってくると思います。短期間で大きな利益を出したいのであれば、通常のNISAの方がよいでしょうし、長期的な視点で安定した利益を求めるのであればつみたてNISAの方が向いているかとは思います。
(文責:弁護士 辻 悠祐)
2020年1月~2月 セミナー情報
2020年1月~2月に実施したセミナーの報告です。
詳しい内容はよつばHPにも掲載中です。≫ https://yotsubalegal.com/seminar/
「勝つ!」事業承継セミナー 2020年01月23日開催
千葉県の宅建協会東葛支部に所属する一般企業様を対象に、弁護士から見た事業承継の実態と、事業承継において考えること・やることについて、お話させていただきました。社会的にも大きな注目を集めているテーマということもあり、多くの企業様にお集まりいただきました。
これだけは知っておくべき空家のリスク 2020年02月02日開催
空き家の法的リスクについてお話させていただきました。相続問題、共有問題、損害賠償リスク、役所からの勧告などのリスク、固定資産税増加のリスク、売買が不可能となってしまうリスクなどについて解説しました。また、併せて、空き家・空き地に関する将来予測、空き地・空き家を持っている人がとるべき対策についてもお話しさせていただきました。(不動産コンサルティングの専門家の方も講師を一緒に担当しました。)
外国人材の採用・雇用 わかりやすい3ステップ説明会 2020年02月13日、02月20日開催
外国人雇用をするにあたっての方法等を行政書士の先生と一緒にお話しさせていただきました。弁護士の観点からは会社側で必要な手続きについて、トラブルの予防・解決についてをお話しいたしました。
「人手不足×働き方改革関連法」の危機を乗り切るための労務リスク対応 2020年02月13日開催
弁護士と社労士がそれぞれの得意分野を生かし、有給休暇5日取得義務、時間外労働の上限規制について、制度の概要や、これらについて対応できなかった場合のリスク、そして、まず進めるべき対応のファーストステップについてまで、実務的な観点からお話をさせていただきました。
宅建研修会 2020年02月17日開催
会員アンケート等でご要望が多かったテーマを中心にお話しいたしました。特に相続、共有問題、所有者不明土地、信託、空家問題等について裁判例等を踏まえながら解説させて頂きました。
過去のコラムは当事務所サイトのニュースレターバックナンバーをご覧ください。
当事務所ニューレターバックナンバー
私の両親は茨城県取手市に住んでいます。そして、父が良く飲んでいるのが「箱ワイン」の赤ワインです。箱ワインの赤ワインは意外と味がよく、また、一日に飲む量も調節できますので、お勧めです。南米大陸の国の箱ワインであれば大体おいしいような気がします。
写真に映っているのが父(当時35歳前後)です。商社勤務でサウジアラビアのジッダという町に駐在していました。横の子供が私大澤一郎です。私も2年位サウジアラビアに住んでいました。
(大澤一郎の詳細自己紹介は当事務所公式サイト自己紹介ページをご覧ください。)
父は、今72歳ですが、40代のころまではビールとウィスキーをよく飲んでいたような記憶があります。
40代のころに父はオーストラリアのシドニー駐在となり、その後はワインをよく飲むようになりました。日本に帰ってきてからは、ほぼいつも赤ワインの箱ワインが実家に常備されています。
- 箱ワインの良いところ
- ■ 値段の割においしい
- ■ 750ミリリットル、375ミリリットルなどのようなボトルの容量と関係なく飲めるので、その時飲みたい量だけ飲むことができる(飲みすぎ注意!)
- ■ 瓶を捨てなくてもよいので楽。持ち運びも軽い。
社会情勢もあり、自宅でご飯を食べる機会が増えているかもしれません。自宅で気軽に飲むことができる箱ワインはお勧めです。
(文責 弁護士 大澤一郎)