相続が争族に? 遺言で争族に対する備えを

Vol.102
2017年11月号

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目次
「相続が争族に? 遺言で争族に対する備えを」
「ワインが苦手な人のためのワインの選び方」
「経営計画発表会,給与・目標管理制度の説明会」

~ 相続が争族に? 遺言で争族に対する備えを ~

近年、相続が発生し被相続人(亡くなった方)の遺産分割において、親族間でトラブルとなり「争族」となってしまい、血を分けた兄弟姉妹間で絶縁状態になってしまうということが増えております。
しかし、被相続人が遺言を作成しておけば、争族トラブルを避けることが可能となります。

【背景】

かつては、長男が遺産を全て引き継ぐという家督相続制度があり、その制度のなごりから、遺産について長男が引継ぎ、その他の相続人は長男に協力することが当たり前になっていました。
しかし、現在では権利意識が高まり、相続人であれば、その相続分を主張することが当たり前となりました(これはむしろ良いことであると思います)。もっとも、相続人間の行き違い、情報の氾濫、相続人の配偶者等(いわゆる、外野)の横やり等によって、争族トラブルに発展してしまうということが少なくありません。
一度、争族トラブルに発展してしまうと解決に何年も要してしまう場合もあります。また、形としては解決したとしても、親族の間で何らかのしこりは残ってしまいます。争族トラブル後では、親族同士が集まっても今までと同じような楽しいお正月は過ごせないかもしれません。
やはり、争族トラブルに発展させない準備が重要になります。

【争族となりうる遺産総額】

「財産もそんなにないし、私の家族に限って、トラブルなんて・・・」と思う方は多いと思いますが、それは希望的観測も含まれていませんか?

上の図は、最高裁判所が発表した平成27年度における遺産分割事件の遺産総額の内訳です(「平成27年度司法統計年報」参照)。
簡単にいうと、裁判になった事件の遺産総額の内訳です。 ぱっと見て、分かるとおり、裁判に発展してしまった事件のうち、遺産総額が5000万円以下の事件は全体の75%以上なのです。さらに、1000万円以下の事件は、全体の32%以上です。
すなわち、遺産を巡る裁判事件の3分の1が遺産総額1000万円以下の事件なのです。このように争族トラブルは、大富豪だけの問題でないのです。
決して多額な遺産でないにもかかわらず裁判となってしまう主な理由としては、被相続人が亡くなるまでの間、紛争にはならないまでも相続人間では様々な軋轢があり、被相続人の死亡によって胸の中で抑えていたものが爆発してしまうことが関係しているように思われます。

【争族トラブルによる弊害】

争族トラブルでは、ある相続人は「お父さんは、私に『生前に〇〇円を渡す。』と言っていた。」、その一方の相続人は、「そんなの聞いていない。」というように、「言った。」「言わない。」の水掛け論になりがちです。このようにして、争族トラブルは解決までに時間を要する場合が多く、何年も争う場合もあります。その間の相続人の心労は容易に察することができるでしょう。
それだけでなく、争族トラブルは、遺産である財産を利用できなくなることも招いてしまいます。
例えば、亡くなった父から継いだ事業のために父の遺産である不動産を担保にお金を借りようとしても、他の相続人からの協力が得られないため、お金を借りられないというケースはよくあります。
このような状態が続けば、場合によっては事業が立ち行かなくなり、自分、従業員、取引先、ひいてはそれらの家族にまで不利益が及んでしまう可能性もあります。
これはあくまで一例ですが、争族トラブルは、ほかにも相続税の申告等様々な弊害をもたらしてしまうのです。

【早期の対策!!早期の遺言作成を!!】

皆さんは、万が一の病気や事故に備えて保険に入る方が多いと思います。
相続は、どんなに偉い人でも平等に必ず発生します。では、必ず発生する自分の相続に対して、何か準備していますか?必ず起こることに対して、準備をすることは当然のことではないでしょうか?
争族トラブルを避けるためには、「遺言」が最も有効です。遺言は、自分の財産を自分の思いを乗せて、相続人に遺すことができます。自分の相続は、いつ起こるかはわかりません。遺言はいつでも変更できますので、早いうちに作成しておくべきです。
もっとも、「遺言に何をどのように書いたらいいのか分からない。」「この遺言で正しいのか分からない。」等の悩みがございましたら、是非、ご相談ください。

(文責:渡邉 優)


代表弁護士 大澤一郎の「ワインが苦手な人のためのワインの選び方」

~第3回 白ワインと言えばぶどうは「シャルドネ」!~

新コラムの第3回です。過去のコラムは当事務所サイトのニュースレターバックナンバーをご覧ください。ニュースレターバックナンバーを読む (http://www.yotsubasougou.jp/240/)

今回は、白ワインと言えばというぶどう「シャルドネ」です。
「ビカール・デル・スール シャルドネ」(税抜472円)、柏ビックカメラで購入しました。

専門家のコメントとは違うかもしれませんが、私の中ではシャルドネの白ワインの味は、「クリームっぽい感じの程度」「フルーツの味の程度」という観点で分類しています。今回ご紹介したワインはクリームっぽさが強くあり、フルーツの味の程度は普通という印象です。
シャルドネ種のぶどうで1000円前後又は1000円未満のワインの場合、フランス・イタリアなどのワインよりもチリ・アルゼンチンなどのワインの方がおいしく感じることが多いです。フランス・イタリアなどのワインは少し「繊細な」味ですが、チリなどのワインは「わかりやすい」味がします。

南米などの暖かい地域で作った、「クリーミー」「果実の香りが強い」というようなシャルドネ種のワインは、500円前後でもおいしいワインが多いと思います。
今回ご紹介したワイン「ビカール・デル・スール シャルドネ」はクリーミーな要素が強かったので、ワインがあまり得意でない人は冷やして飲んだ方がよいと思います。一般に、冷やすと水に近いような味わいに近づいていき、温かいとワインっぽい味わい、においがでてきます。「温かいとお酒のにおいが強くて気になる」という方もいます。ワインは自分の好きな「温度」も大切です。


【NEWS】

よつば総合法律事務所初の「経営計画発表会」 「給与・目標管理制度の説明会」を行いました

先月10月2日(月)に、千葉事務所にて「経営計画発表会」 「給与・目標管理制度の説明会」が行われました。当事務所が開設して約10年、弁護士・事務スタッフの人数も増え、事務所も2拠点体制になり、初めての試みです。
まずは代表からの来期の経営計画についての発表がありました。今までも書面などでの発表はありましたが、直接所長の口から聞くと、より一層計画・目標に実感が沸き、身が引き締まる思いでした。
又、各所長や部門長からも各々の分野に対する目標や思いの発表もありました。2拠点体制になり、なかなか各事務所所員と会える機会も少ないので、思いの共有などが出来、とても有意義な時間となりました。午後からは「給与・目標管理制度の説明会」でした。いままでの制度を一新し、新しい制度となります。

所員全員、真剣に話し聞いています。
少しでもお客様に満足していただくため、事務所をよくするため、仕事の効率をはかるため、個々が自分の業務を見直し、目標を定めるいい機会となりました。
弁護士・事務スタッフ共に、より良いサービスの向上を目指していきます。