社長!その保証、必要ですか?

Vol.111
2018年08月号

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目次
「社長!その保証、必要ですか?」
「民法改正について~債権譲渡について~」
「ワインが苦手な人のためのワインの選び方~第12回」
「セミナー報告」

社長!その保証、必要ですか?

事業をされている方ならどなたも、経営者保証の存在をご存じだと思います。
会社が借入を起こす際に求められるアレです。社長の連帯保証です。

社長が保証人になるのはナゼ?

連帯保証をしていると、万が一会社が借金を払えなくなった場合、保証をしている社長や代表者が支払いの責任を負います。しかし会社がそのような状況のとき、社長や代表者も同じく資金繰りに窮しているケースがほとんどです。それなのになぜ保証をとるのでしょうか?

中小企業の多くは、社長と会社が一体化しており、それなら支払も一体してやってね、というのが保証をとる理由だと思われます。また、保証をすることによって「万が一のときは支払いを求められる立場にあるのだから、そうならないように頑張って経営してね」という意味もあるのでしょう。

ということは、社長の保証をとる債権者側としても、会社が債務を返せなくなった場合に、ホントに社長が払えると思って保証を取っているわけではない場合が多いと思われます。

不要な保証外しませんか?

さかのぼること5年前、平成25年12月に「経営者保証に関するガイドライン」というものが発表され、一定の場合には経営者保証を外したり、新規の融資に経営者の保証なしでの融資の実行をしたりするための基準が明確にされました。

毎年、中小企業庁から同ガイドラインに沿った運用実績が発表されています。
平成30年6月27日に公表された最新の数字によると政府系金融機関による新規融資のうち、無保証で融資した割合が34%(平成29年度の数字、金額ベースだと52%)、保証契約を解除した件数は2853件に上ります。

このように、意外と多くのケースで、連帯保証契約の解除や、無保証での融資が実行されていることがわかります。「社長が保証するのが当たりまえ」ではありません!保証の解除等にトライする価値は大いにありますので、ぜひご相談ください!

(文責:前原 彩)


民法改正について~債権譲渡について~

1、債権譲渡の具体例

債権譲渡とは、たとえば、AさんがBさんに対して、商品を販売したことによって取得した売買代金債権を、Cさんに移転させるような場合をいいます。この場合、Aさんは譲渡人、Bさんは債務者、Cさんは譲受人と呼ばれます。

2、債権譲渡が果たしている役割

債権譲渡は、主に、弁済期前の金銭化、担保化の手段としての役割を担っています。弁済期前の金銭化とは、たとえば、債権はあるが弁済期は未到来で、いますぐに現金が必要な場合、債権を額面より多少値引いた価格で売買することで現金を取得する方法です。担保化の手段とは、たとえば、企業が自己の有する現在又は将来の売掛債権等を担保として、金融機関から資金を調達する方法です。

3、改正部分

債権譲渡は、主に、弁済期前の金銭化、担保化の手段としての役割を担っています。弁済期前の金銭化とは、たとえば、債権はあるが弁済期は未到来で、いますぐに現金が必要な場合、債権を額面より多少値引いた価格で売買することで現金を取得する方法です。担保化の手段とは、たとえば、企業が自己の有する現在又は将来の売掛債権等を担保として、金融機関から資金を調達する方法です。

(1)現行法

現行法では、将来債権の譲渡については、明文上の定めはありません。ただし、判例上では一定の要件の下で認めるのが一般的です。

債権譲渡は、原則として自由です。ただし、当事者間で債権譲渡を禁止・制限する旨の特約がある場合は、債権譲渡は原則として無効になります。これは、債務者にとって弁済の相手がころころ変わるのは酷であるという弁済相手の固定の必要性を重視しているためです。

(2)改正点

ア、将来債権の譲渡性についての条文が追加されます。

現行法は、将来債権譲渡に関する明文規定はありませんが、改正により、将来債権の譲渡性についての規定が追加されます。改正の理由としては、将来債権の譲渡のニーズが高く、判例上も一般的に将来債権の譲渡を肯定していたことから、明文に規定したものです。

イ、譲渡制限特約があったとしても原則として債権譲渡は有効になります。

現在の裁判例の立場だと、譲渡制限特約がある場合、債権譲渡は原則として無効と考えられています。この点が改正により、譲渡制限特約があっても、原則として債権譲渡の効力は妨げられないといった内容の規定が追加されます。他方で、例外の場合について詳しく規定する、債務者の供託制度など、債務者を保護する規定の追加もなされます。改正の理由としては、債権譲渡に必要な債務者の承諾を得られないことが少なくないこと、債権譲渡が無効となる可能性が払拭しきれないため、債権の価値が低額化する傾向にあったこと、債権譲渡のニーズと債務者保護の調整を図ったことなどが挙げられます。

(文責:辻 悠祐)


代表弁護士大澤一郎の「ワインが苦手な人のためのワインの選び方」

~第12回 コンビニの500ミリリットルワイン~

第12回です。過去のコラムは当事務所サイトのニュースレターバックナンバーをご覧ください。
当事務所ニューレターバックナンバー今回は、コンビニで売っている500ミリリットルの白ワインのご紹介です。ワインが飲みたい、でも、夜なので売っているお店がない、という時にお薦めです。
ロスヴァスコス・ソーヴィニヨン・ブラン500ミリ(980円)
他のところでも売っているのかも知れませんが、柏駅近辺のファミリーマートに売っています。通常のワインは750ミリリットルですが、このワインは500ミリですので1人でも残さず飲める位の量だと思います。味は、ソーヴィニヨン・ブラン種ですのでフルーティーかつどのような料理にもあって飲みやすいです。980円という1000円以下の値段ですが、味は本格的な味がします。2000円~3000円位のワインと言ってもよい位だと思います。

今年の夏は暑いです。暑いときこそ冷えた白ワインで「乾杯!」といきたいものです。(大澤一郎)

ブドウ品種について

ご存知のことかもしれませんが、白ワインには有名なぶどう品種として、シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブランなどがあります。他にも種類はありますが、上記2つは有名品種です。シャルドネのワインは色々な味があり趣味が分かれる味のワインも多いですが、ソーヴィニヨン・ブランのワインはお酒があまり得意ではない方でも飲みやすいブドウジュースのような印象のワインが多いです。なお、フランスの超高級なワインはシャルドネが多いそうです。(大澤一郎)

セミナー報告

4~7月に行ったよつば総合法律事務所主催のセミナーについてご報告いたします。
ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。

不動産会社様向け

4月13日 講師:渡邉 優

『法律家が教える不動産の相続実務~よくあるトラブル事例を踏まえてお客様へ提案し、仲介案件増、売却案件増を実現する~』
不動産に関する相続についてのセミナーを行いました。遺産分割・遺留分・共有問題のトラブルの事例から見る生前対策・相続発生後の具体的方法についてお話させていただきました。

6月4日 講師:小林 義和

『法律家が教える空き家問題の実務~空き家問題の解決をお客様へ提案し、仲介案件増、売却案件増を実現する~』
空き家をめぐる現状と今後についてお話させていただきました。その上で、空き家を持っていて放置したときの問題点やトラブル、トラブルの予防方法・解決方法をお話させていただきました。

6月13日 講師:渡邉 優、松本 達也

『90分でおさえる事業承継セミナー~現代の重要課題!事業承継の肝心なところ!!~』
多くの経営者様がかかえる後継者問題について、弁護士目線でセミナーを開催いたしました。事業承継の基礎知識から始まり、親族内で承継する場合のメリットデメリット・成功例などをお話させていただきました。又、円滑な廃業という選択肢のご説明、M&Aなどについてもお話させていただきました。