埋もれさせない「デジタル遺産」

Vol.190
2025年03月号

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目次
「法律コラム「埋もれさせない「デジタル遺産」」
「ワインが苦手な人のためのワインの選び方」
「お勧め書籍の紹介」
「人材サービス業専門サイトのご紹介」
「誹謗中傷対策・口コミ削除請求サイトのご紹介」

埋もれさせない「デジタル遺産」

スマートフォンの普及により、ネット上で銀行口座を開設したり、ネット証券口座で株式を購入できるようになりました。家族に内緒で仮想通貨を購入している方もいらっしゃるのではないでしょうか。こうしたデジタル遺産 ※ⅰ も相続の対象となり得ますが、生前から対策をしておかないと、悲惨なことになりかねません。
船橋事務所所属弁護士佐々木康之郎

1. デジタル遺産を探すには

相続の対象となる財産は、相続人が自力で探さなければなりません。机や金庫から通帳や書類を探すのが一般的ですが、デジタル遺産の場合は書類自体が存在せず、スマートフォンやパソコンが唯一の手掛かりとなることも少なくありません。

その際に立ちはだかるのがスマホ等のロックです。相続人がパスワードを知っていればよいですが、そうでない場合、ロックを解除 ※ⅱ するのは至難の業です。通信キャリアは対応してくれないこともあり、また、専門業者に依頼しても解除できるとは限りません。解除ができても、スマホの中から対象となるアプリを見つけ出す必要もあります。

相続人が見つけられなかったデジタル遺産は、忘れられたまま放置されてしまいます。せっかくの資産を埋もれさせないためにも、生前からの対策が肝要です。

2. 今からできる対策

デジタル遺産をきちんと相続させるには、主に以下のような方法が考えられます。

① 遺言書の作成

最も確実な方法は、遺言書に、デジタル遺産の内容やスマホ等のパスワードを記載しておくことです。漏れなく遺産を記載し、遺産の分割方法も指定できるため、相続人間の争いを極力防止することが可能です。ただし、遺言書作成後に新たにデジタル遺産を取得した場合は、遺言書の書き直しを検討する必要があります。

② 死後事務委任契約の締結

弁護士等の第三者に自身の死後の事務処理を委任する契約を、死後事務委任契約といいます。葬儀方法の指定や各種サービスの解約、SNSのアカウントの削除など、比較的自由に委任内容を指定することができます。

③ メモを残しておく

通帳等の重要書類と一緒に、スマホ等のパスワードのメモを保管しておくことも考えられます。簡単にできる対策ですが、厳重管理が必要なことは言うまでもありません。

3. 最後に

デジタル遺産は持っていないから、スマホのパスワードを教える必要もない、という方であっても注意が必要です。友人の連絡先がスマホのみに記録されていると、相続人から知人に対して葬儀の連絡をすることができなくなってしまいます。また、生前に知人とトラブルが生じていた場合、事情を知らない相続人がこれに巻き込まれる可能性もあります。

スマホはプライバシーの塊であるため、他人に中身を見られることには抵抗もありますが、残された遺族が困ることのないよう、できるうちから対策を考えましょう。


※ⅰ 「デジタル遺産」に決まった定義はありません。SNSのアカウントや航空会社のマイルなども対象となりますが、本記事では割愛いたします。
※ⅱ 機種によっては一定回数パスワードを間違えると初期化されることがあるため、手当たり次第にパスワードを入力することは控えた方がよいでしょう。

(文責 弁護士 佐々木 康之郎


~第93回 春らしいワイン~

過去のコラムは当事務所サイトのニュースレターバックナンバーをご覧ください。
当事務所ニューレターバックナンバー

3月になり、だんだん暖かくなってきましたね。
今回は、春らしいワインをご紹介します。

マールボロの白ワイン(ニュージーランド)

マールボロ(ニュージーランド)の白ワインがおすすめです。ぶどう品種はソーヴィニヨン・ブランです。白ワインのなかでも特にトロピカルな味わいですので、暖かくなってくる今の季節にぴったりのワインです。

ピノ・ノワールの赤ワイン

「春らしい赤ワイン」を選ぶのはなかなか難しいですが、1つブドウ品種を選ぶのであればピノ・ノワールがおすすめです。味わいは深いですが飲みやすく、春に合っています。

ロゼワイン

ロゼワインは、ピンクっぽい色合いのワインです。赤ワインと白ワインの中間位の色ですので、桜の花びらのような色です。お花見の雰囲気を盛り上げてくれそうです。

ハイネケン(ビール)

ワインではないですが、春のお花見であれば、ビールはハイネケンがおすすめです。ハイネケンは軽い感じのビールですので、春の外で飲むのにぴったりだと思います。

私は千葉県柏市に長年住んでいますが、おすすめ花見スポットは上野公園です。電車で30分位の距離です。最近では外国人観光客もすごく多いです。老若男女たくさんの人がいて、花見気分を満喫できますのでお勧めです。

(文責 弁護士 大澤 一郎


― 人生を元気で豊かにするお勧め書籍のご紹介 ― 『ドリルを売るなら穴を売れ』 佐藤 義典 著

今月の「人生を元気で豊かにするお勧めの書籍」を、弁護士大竹裕也が紹介いたします。
私が今回紹介させていただくのは、佐藤義典氏の著書である『ドリルを売るなら穴を売れ』です。

1. タイトルの意味

この書籍はいわゆるマーケティングの入門書で、赤字経営のイタリアンレストランを新入社員が復活させるというストーリーを軸に、マーケティングの基本的事項を学ぶことができます。

本籍のタイトルである『ドリルを売るなら穴を売れ』とは、「ドリルを買うお客様が欲しているのは、ドリルという物ではなく、穴を開けられるという価値である」という意味です。つまり、物を売るためには、お客様が求めている「価値」から出発して考えるべき、というメッセージが込められています。

2. 自身の商品でなくてはならない理由をつくる―「差別化」

書籍の内容全てに触れるのは難しいため、ここでは私の印象に残った箇所を紹介します。

本書では、競合に勝つためのポイントとして、「手軽軸」・「商品軸」・「密着軸」という3つの考え方が紹介されています。これらの中のいずれかを強みとして、競合との差別化を図れ、ということです。本書では飲食店を具体例に挙げていましたが、このようなイメージです。

「手軽軸」…安価で素早く商品が提供されるファストフード店
「商品軸」…食材にこだわった雰囲気の良い高級レストラン
「密着型」…昔ながらの個人経営の居酒屋

この例で考えると、それぞれのお客様がお店に求めている価値は全く異なることがイメージしやすいのではないでしょうか。これらのポイントを押さえて、誰に、どんな価値を届けたいかを考えることが重要、というのが筆者のメッセージだと私は感じました。

一方で、筆者は上記の話に続けて、「いずれかの軸が致命的に欠けてはいけない」ということにも触れています。「とにかく安くて早いが味が悪すぎる店」や「味は素晴らしいが接客態度がひどい店」は流行らない、という主張です。これはこれで納得・共感させられるものです。私もより一層専門性を高めていくのはもちろんのこと、お客様の気持ちに寄り添うという思いを常に忘れないよう心掛けていきます。

3. おわりに

全ての働く人は、社内外で何らかの自分の価値を提供しているはずです。その意味で本書は、物を売るビジネスをしている経営者だけでなく、どんな人にとっても参考になる書籍だと思います。本書に興味をもっていただけたら、一度手に取っていただくことをおすすめします。

(文責 弁護士 大竹 裕也


人材サービス業専門サイトのご紹介

昨今人手不足が深刻化しており、様々な人材サービスが活用されています。たとえば、人材派遣、人材(職業)紹介、求人サイト、業務委託(BPO)などです。

皆様の会社の採用活動でも、一度はこれらサービスを利用されたことがあるのではないでしょうか。また、会社の採用活動ではなく、個人でこれらのサービスを利用された方もいるかもしれません。

最近は、別事業を営むお客様から「人材サービス業界に興味がある」「人材サービス業に新規参入してみたい」といったご相談を受ける機会も増えました。

皆様にとって身近になってきた「人材サービス」ですが、実は、昨年から弊所でも人材サービス企業様に特化したサイトを開設しております。私自身が3年ほど人材サービス企業の法務部での勤務経験があり、人材サービスに特化した法務サービスのご提供が可能となっております。

人材サービス業は、弁護士のサポートが必要なビジネスです。理由は次のとおりです。

  • 許認可ビジネスであり、日常の業務が法律のルールと深くかかわっている
  • トラブルが発生すれば、多くの場合で法律問題が絡む
  • 法改正対応が頻繁に発生し、監督官庁による指導もある

当事務所でサポートできる内容

人材サービス業を適切に運営いただくため、
当事務所では次のようなサービスをご提供しております。

  • 契約書、利用規約等の作成、チェック
  • 起業時、新規サービス開発時のビジネス適法性チェック
  • トラブル発生時の相談、代理人としての交渉対応
  • 法改正対応のサポート、従業員への研修、教育

詳しくは下記人材サービス業専門サイトをご覧ください

今後、少子高齢化が進んでいく中で、人材サービスはより社会から必要とされます。人材サービス企業の皆様を支えることで、人がもっと自由に働ける社会の実現に少しでも役立てればと考えています。

派遣や人材紹介などの人材サービス企業のお客様や、これから始めようとお考えのお客様がいらっしゃいましたら、是非お気軽にご相談ください 。  

(文責 弁護士 三井 伸容


<企業向け>誹謗中傷対策・口コミ削除請求の特化サイトのご紹介

弁護士の辻悠祐です。
よつば総合法律事務所では、企業・クリニックの誹謗中傷対策や悪質な口コミの削除に力を入れています。この記事では、誹謗中傷対策や口コミ削除請求の特化サイトをご紹介します。

1. 誹謗中傷対策・口コミ削除請求の特化サイトを作成した経緯

よつば総合法律事務所や私はインターネット上でなりすまし被害を受けたことがあります。
このとき、信頼・評判を落とすような行為はやめてほしいと強く思いました。
Google口コミなどインターネット上の書き込みが原因で集客や採用にお困りの企業から相談を受ける中で、私自身共感できるところが多くありました。
悪質な口コミで困っている企業やクリニックをサポートしたいと思い、それ以降は企業への悪質な誹謗中傷の削除や信用回復のための措置に力を入れてきました。
より多くの困っている企業・クリニックの力になりたいという思いで特化サイトを作りました。

2. 企業にとって誹謗中傷対策は重要な経営課題です

誹謗中傷は非常に怖いです。悪い噂はXなどのSNSを通じてすぐに拡散されます。
風評被害による企業の信用の低下、企業活動の影響は甚大です。一旦炎上を始めると、沈下することは困難です。誹謗中傷、風評被害の状況に合わせて適切な対応を行う必要があります。

3. 誹謗中傷対策・口コミ削除請求の特化サイトの内容

このサイトは主に次のような内容となっています。
(1)取り扱い業務
口コミ削除・投稿者の特定・損害賠償請求・刑事告訴・誹謗中傷対策のアドバイスなど
(2)対応サイト
Google、X(旧Twitter)、転職会議、エンゲージ会社の評判、オープンワーク
(3)対応業種
病院・クリニック、ITサービス、インフルエンサー・アスリート・芸能人、士業、飲食など

詳しくは下記誹謗中傷・口コミ削除請求専門サイトをご覧ください

悪質な口コミで困っている方はぜひご相談ください。

(文責 弁護士 辻 悠祐