インターネット検索結果の削除認められず
- Vol.96
- 2017年05月号
- 目次
- 「インターネット検索結果の削除認められず-最高裁が初判断-」
- 「初夏のオススメお出かけスポット」他
「インターネット検索結果の削除認められず-最高裁が初判断-」
インターネット検索サイトGoogleで自分の名前を検索すると、過去の逮捕歴が出てくる…として、ある男性がGoogleに対し、検索結果の削除を求めた裁判(仮処分の申立てに対する抗告審)で、平成29年1月31日に最高裁は、削除を認めない決定をしました。
最高裁は、ウェブサイトの検索において、利用者のプライバシーに属する事実が記載された記事などの削除を求めることができる場合について、
①当該事実の内容及び性質、②当該URL等が提供されることによって当該事実が伝達される範囲とその者が被る具体的被害の程度、③その者の社会的地位や影響力、④上記記事の目的や意義、⑤記事が掲載された時の社会的状況とその後の変化、⑤記事において当該事実を記載する必要性など、 事実を公表されない法的利益と当該URL等を検索結果として提供する理由に関する諸事情を比較衡量して、事実を公表されない法的利益が優越することが明らかな場合には、削除を求めることができる、としました。
事実を公表されない法的利益が優越することが明らかな場合とまでなると、削除を求めることができる場合は結構限定されることが予想されます。
今回は、過去に児童買春の疑いで逮捕された逮捕歴が出てくるとして削除を求めた事案でしたが、法人の場合にはこのような新聞記事から口コミサイトまで、良くも悪くも社名が記事になる場合が多々あります。自社にとって悪いことを記載されているから削除をしてもらう!というのも通用しなくなるかもしれませんのでご注意を!!
~初夏のオススメお出かけスポット~
富津市田倉940-3 TEL: 0439-37-3211
(館山自動車道木更津南ICより車で30分)
もともとバンジージャンプはありましたが、今年3月に新アトラクション「ファームジップ」が出来たそうです!房総の絶景を眼下に、全長340mのワイヤーロープをハーネス付きの滑車で滑り降りるアトラクション。少々刺激的な体験をしてから、羊やアルパカたちとのんびりするのもオツですね。
☆ 水郷佐原あやめパーク ☆
香取市扇島1837番地2 TEL: 0478-56-0411
(東関東自動車道 佐原香取ICより車で30分)
あやめ祭り(29年度は6/3~6/25)で有名な佐原の植物園が、このGWに名称も新たにリニューアルオープン!園内が広くなり、体験工房や子供用の遊具が新設されたほか、園内水路の小舟も10月までの運航になりました。6月の土日には「嫁入り舟」の挙式(右上写真)も 行われるのでタイミングが合えば、幸せな門出に立ち会えるかもしれません。
☆ ザ・サーフ オーシャンテラス レストラン ☆
千葉市美浜区磯辺2-8-3稲毛海浜公園内 TEL: 043-279-4155
(検見川浜駅,稲毛海岸駅よりバスあり)
昨年3月オープンした砂浜まで徒歩15秒という海外リゾート風レストランです。房総の魚介を使ったメニューが中心で、今年4月からはランチタイムのカジュアルコースも始まり、予約は必須!ウェディング会場や、県内初出店のベーカリーカフェも併設されていて、カフェ前の芝生のソファならワンコもOKだそうなのでお散歩がてら、いかがでしょうか。
~駅のコンセントで勝手にスマホを充電したら犯罪なの?~
そんなよく目にする光景ですが、一方で「盗電」「電気窃盗」はいけないと、耳にしたことのある方もいらっしゃるかもしれません。
では、駅や空港に設置されているコンセントを使って勝手に充電するという行為は、窃盗罪にあたってしまうのでしょうか。「ええっ、犯罪なの?」と思った方も、「もちろん、知ってたよ!」という方も、今一度刑法を確認してみましょう。
刑法235条
窃盗罪について定める刑法235条は、「他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。」と定めています。つまり、人の「財物」を盗んだ場合に、窃盗罪となる旨が規定されています。
もしかすると、「財物ってなんだろう?」「電気って財物なの?」と思った、鋭い方もいらっしゃるかもしれません。かつては、電気は「財物」に該当するかと激しく議論されていました。しかし、これは立法で解決されています。
刑法245条が、「この章の罪については、電気は、財物とみなす。」と定めています。つまり、電気は窃盗罪の対象になると刑法が規定しているのです。
ということは…
駅や空港に設置されているコンセントを使って勝手に充電してしまうと、窃盗罪にあたってしまうことになります。みんながやっているから大丈夫だろうなどと、軽く考えないようにしていただきたいと思います。
最近でも、隣家の屋外に設置してあったコンセントに延長コードを差し込み、電気を自宅に引いて使ったとして逮捕されたとの報道がありました。
最後に
スマホの充電は、モバイルバッテリーを持ち歩くか、コンセントを提供しているお店で正しく充電していただきたいと思います。
日常でふと感じた小さな疑問でも、お気軽に弁護士までご相談ください。
(文責:根來真一郎)
~未払い残業代のお話~
「未払い残業というワードはよく耳にするけど、実はあまり分かっていない…。」 こんな方も多いのではないでしょうか。今回は、会社の側の視点から、未払い残業代に関するお話を少しばかりさせていただきます。
1 未払い残業代とは?
労働者が、1日8時間または週に40時間を超えて労働をした場合(時間外労働)には、基本的に残業代が発生することとなります(例外もあります)。時間外労働がある場合、会社には、労働者に対して、通常の労働時間の賃金(時給)に加え、25%の割増賃金を足した、計125%の賃金を支払う義務が生じます。ニュース等で「未払い残業代」と言われているのは、この125%の残業代が支払われていないことを指します。
2 残業の指示をしていないけど…
会社が労働者に対して、具体的な残業の指示をしていなかったとしても、「労働者が使用者の指揮命令下に置かれている」と客観的に評価される場合には、その時間も、時間外労働の対象となる「労働時間」に当たることとなります。
この「指揮命令下」という概念は非常にわかりにくいのですが、裁判所や労基署は、①タイムカードの出退勤時間、②パソコンのログオン・ログオフ記録、③メールの送信履歴等から、労働者の在社時間を算定し、その在社時間の間は、「指揮命令下」にあったものと推定する傾向にあります。そして、この推定を覆すためのハードルは非常に高く、推定された在社時間で、1日8時間を超える部分がある場合は、その部分のすべてが割増賃金の対象となる可能性があります(非常に高額になることも多いです)。
3 未払い残業に潜むリスク
労働者に対する未払い残業代がある場合、会社が、①刑事罰(30万以下の罰金)を受けるリスクや、②未払い残業代に加えて、その遅延損害金を支払うリスク、③付加金を支払うリスク(簡単に言うと、残業代の2倍の金額を支払う可能性)等、様々なリスクがあります。さらに、一人の労働者が未払い残業代の請求を会社にしたことにより、他の労働者・退職者も次々と残業代請求をし、非常に高額な金額を支払うリスクも潜んでいます。
4 おわりに
以上、非常に簡易な説明になってしまいましたが、未払い残業代のお話をさせていただきました。 労働者から未払い残業代の請求があった場合、早期の対応が非常に重要となってきます。お困りの際には、お気軽にお問合せ下さい。
(文責:村岡つばさ)
~セミナー情報~
3月13日 運送会社様向け社内研修
『従業員の入社・退社に伴う諸問題』
弁護士 三井伸容、弁護士 大澤一郎
顧問会社様である運送会社様の社内勉強会として、入社・退社時の書類の内容の再確認と従業員が事故を起こした後の対応についてお話ししました。入社・退社には身元保証や秘密保持など数々の契約も伴います。それを従業員様全員で再度確認することにより、仕事への責任感・モチベーションのアップにも繋げていただけたかと思います。3月26日 千葉県医療社会事業協会内研修
『MSWが知っておきたい 弁護士活用方法』
弁護士 前田徹
千葉県医療社会事業協会に所属されているメディカルソーシャルワーカーの方々の会合において、セミナー講師を務めさせていただきました。弁護士の業務内容のご紹介や弁護士費用、具体的事例における弁護士の活用法(交通事故、債務整理、成年後見など)についてお話させていただきました。 身近に弁護士に相談できる環境がないという方々が多く、「身近な存在として、相談にのってもらいたいと思った。」「MSWだけの支援ではなく、他の専門職を利用することで、患者様やご家族にとってよりよい支援につながるのだと実感した。」などの回答をいただき、好評でした。
4月7日 不動産業者様向け
『借家関係を解消して不動産を有効活用する方法』
弁護士 大澤一郎
不動産業者様に向けて、借家についてのセミナーを開催いたしました。借家関係を解消するための方法や期間満了による正当事由の判断要素及び正当事由を満たすための方法、立退料についてなどをお話させていただきました。セミナー後の懇親会も盛り上がりました。
~ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました~
不動産専門サイト OPEN!!!
URL◆http://www.fudosan-yotsubasougou.com/
よつば総合法律事務所の新しい専門サイト「不動産サイト」がこの春オープンいたしました。
家賃滞納・建物明渡、共有不動産、不動産の登記、相続・・・などなど、その名の通り、不動産に特化したサイトになっております。解決方法の事例、Q&A、お客様の声など、コンテンツも充実しておりますので是非一度ご覧いただけたら幸いです。
当事務所では、宅地建物取引士の資格を有する弁護士が複数在籍し、不動産問題の解決のための体制を整えています。また、事務所外の専門家(不動産鑑定士、税理士、土地家屋調査士など)などとも幅広く連携をしています。さらに、不動産会社様、不動産オーナ―様からのご相談も多数承っております。
不動産関係のトラブルでお困りの際はぜひ当事務所へご相談ください。