会社の株は実は会社経営にとって最重要

Vol.74
2015年07月号

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目次
「会社の株は実は会社経営にとって最重要」  コラム「弁護士の日々」

~会社の株は実は会社経営にとって最重要~

株と言えば、普段は「投資」というイメージの方が強いかと思います。毎日ニュースでやっている株が上がった、下がったというニュースは、まさに誰もが知っているような企業の株についてのニュースです。他方、実は、どのような株式会社であっても、「株」は存在するのです。
しかも、「株」=「経営権」なのです。株を持っている人が「法律上は」経営者です。
一般に、中小企業の場合、オーナー経営者である社長が会社の100%又はそれに近い株を所有していることが多いので、普段は社長の意見により会社の意思決定が迅速かつ確実にされることが多いかと思います。

しかし、実際は、株を50%超持っている人が「会社の持主」なのです。過半数の株をもっていれば、社長を交代させることもできますし、会社のある程度の決定を株主の意見ですることができます。(例外的に、3分の2超の株が必要、4分の3超の株が必要という会社の重大決定に関わる事項もあります)

1 相続の際に問題が・・・。
社長が100%の株を持っていれば、会社の支配権について問題は発生しません。しかし、もし、相続が発生したらどうなってしまうでしょう。何も手当をしておかないと、子供が2人いれば2分の1ずつ、子供が3人いれば3分の1ずつの株になります。

とすると、今まで仲良くしていた兄弟が、誰が社長になるか、会社の重要な方針をどうするかなどで喧嘩になってしまうことが多くあります。また、株主間の協議がまとまらず、機動力を持って迅速に決めなくてはいけない事項がなかなか決まらないというようなことも発生してきます。

2 会社の支配権争いを防ぐ方法
会社の支配権争いを防ぐ一番よい方法は、オーナー経営者が元気なうちに、対策をきちんとたてておくことです。子供が何人もいる場合には誰に会社を継がせるかを検討する必要があります。子供に会社を継がせない場合には、従業員等の中から社長候補者を探し、株のことについてもしっかりと決めておく必要があります。「経営者が元気なうちに株について決める」ということは緊急の課題ではないかもしれませんが、実はものすごく重要な課題です。

(文責 大澤一郎)


~コラム「弁護士の日々」のコーナー~

弁護士って普段何をしているのか? 皆様気になりませんか?」
1 裁判所に行っている
「弁護士と言えば裁判」だと思います。弁護士は裁判所に行っていることはとても多いです。松戸、東京、千葉、茨城、さいたま、神奈川その他、あちこちの裁判所に行っています。2 書類を作成している
余り目立ちませんが、実は弁護士は書類を作成している時間が非常に長いです。裁判所に提出する書類の作成、裁判外で交渉をするための書類の作成、その他、法律意見書やその他の書類などです。夜の時間や土日の時間は、よりよい書類作成のために利用されることが多いです。

3 打合せ・会議をしている
皆様とお会いする機会が多いのが、「打ち合わせ」「会議」です。打ち合わせ自体は1時間位だとしても、事前の事実関係の調査・確認や法律の調査などで何十時間も時間をかけていることはよくあります。

4 セミナー講師、勉強会講師
当事務所の弁護士は、セミナー講師、勉強会講師を多くやっています。セミナー講師をしたり、勉強会講師をする場合には、事前の準備が必要となってきますので、お話しする時間は少なくても、準備時間はとても長くなります。

5 所内打ち合わせ
個別の案件について所内で検討会を開いたり、勉強会をしていることもよくあります。複数の弁護士の視点で見ると、よりよい解決方法が見つかることも多いです。当事務所では、定例のミーティングで個別の案件について協議したり、法律分野ごとの検討会を開催したり、個別に弁護士間が協議する方法により、よりよい解決ができるよう努力をしています。

弁護士の仕事は、普段皆様から見えにくいところもあると思います。特に、書類作成や所内打ち合わせは皆様から見えにくいところですが、よりよい解決を目指すためにはとても重要だと感じています。

(文責 大澤一郎)