会社倒産と社長が考えること

Vol.37
2012年06月号

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目次
「会社倒産と社長が考えること」
「本の紹介」

会社倒産と社長が考えること

当事務所では、会社の倒産の案件を多く取り扱っています。会社の倒産の場合、社長と弁護士の感覚のずれが問題となることがあります。
① 社長の関心は今後の仕事と住居
中小企業の社長の場合、通常、会社の債務について連帯保証をしています。そのため、会社が倒産する場合には社長個人についても何らかの債務の整理が必要となることが多いです。この際に社長が興味を持つ点は2つです。それは、今後どのように収入を得るかということと、今後住む場所をどのようにするかということです。
経験が多い弁護士はその当たりの社長の要望をよくわかっていますので、そのような要望を踏まえた上で、「これは法律上できる」「これは法律上できない」というアドバイスをしながら手続を進めていきます。② 未熟な弁護士にありがちなこと
これに対して、弁護士は一般に、法律にしたがって、適正・公平に倒産手続が進むことを重視します。もちろん、倒産の際の故意の財産隠し等は犯罪となる可能性がありますので絶対にやってはいけません。ただ、あまりに適正・公平を重視しすぎると、社長の要望が何一つ聞き入れられないということになってしまいます。
社長の立場からすれば、「せっかくお金も払って弁護士を頼んだのに、本当にこの弁護士は自分の味方なのか」と感じてしまうことすらあります。
未熟な弁護士にありがちなこと その1
適正・公平を重視しすぎて、裁判所よりもより厳密に手続を進めようとします。その結果として、提出書類は膨大となり、社長にはデメリットがある話だけが進んでいき、最終的には社長は仕事も住居も全て失ってしまいます。
未熟な弁護士にありがちなこと その2
逆に、法的知識に乏しく、社長の言うとおりに進めてしまう弁護士もいます。最初は社長も弁護士が自分の意見通りに進めてくれるので良い弁護士だと思っているのですが・・・、後で裁判所から違法行為を指摘され、何百万円ものお金を裁判所から請求されたり、最悪の場合は警察に告訴されて刑事事件となってしまうこともあります。
未熟な弁護士にありがちなこと その3
形式的なルールにのっとり過ぎて、実質的に関係者に迷惑をかけてしまうことがあります。私たちの事務所では、裁判所からの依頼での破産管財人、民事再生の個人再生の再生委員もしています。他の弁護士が作成した書類等を見ると、形式的には問題ないのですが、実質的には妥当とは言えない結論になっている事案も多々あります。

③ バランスが大事です!
何がいいたいのかというと、倒産手続の申立をするにあたっては、弁護士のバランスが大事だということです。社長の要望をできるだけかなえつつ、重大な法律違反になってしまうことや、債権者の怒りを買って手続が進まなくなってしまうような事態は避けることが必要です。法律違反の手続を進めてしまうと、結局は社長が最後は責任を取ることになってしまいます。そのようなことにならないよう、弁護士がバランス感覚を持って手続を進め、判断していくことが重要です。(文責 大澤一郎)

本の紹介です。「ザ・プロフィット(利益はどのようにして生まれるのか)・ダイヤモンド社・エイドリアン・スライウォツキー著」
この本は、世の中の企業を分析して、利益が生じるモデルを対話形式で20個教えてくれるというものです。
・自社のビジネスはどの利益モデルを使っているか?
・競争相手のビジネスはどの利益モデルを使っているか?
・もっと利益を上げるために、現在のモデルを使って新たにできることはないか?
・全く新しい収益源をつかむために、新しい利益モデルは使えないか?
・自分の仕事はどのように利益と結びついているか?利益と無関係な業務はないか?
・将来の事業計画はどのようにして自社に利益をもたらすのか?
・自社の計画の中に収益性を損なう可能性があり、中止すべきものはないか?
・自社は業界の中で、全く新しいユニークな利益モデルを作れないだろうか?
会社経営者の方や会社経営者の方と接する機会の多い方にはお勧めの本です。内容も比較的読みやすいのでわかりやすいです。

(文責・大澤一郎)