相続放棄ができなくなる、【法定単純承認】の落とし穴
- Vol.199
- 2025年12月号

- 目次
- 「法律コラム『相続放棄ができなくなる、【法定単純承認】の落とし穴」
- 「ニュースレター意識調査」
- 「私のふるさと自慢<米井舜一郎 広島県尾道市>」
- 「お勧め書籍の紹介」
- 「ワインが苦手な人のためのワインの選び方」
相続放棄ができなくなる、「法定単純承認」の落とし穴
しかし、意図せず「法定単純承認」をしてしまうと、相続放棄はできず、被相続人の負債を無制限に承継することになります。
1. そもそも「単純承認」とは
相続人が被相続人の権利や義務をすべて承継することを「単純承認」といいます。これは、家庭裁判所への申述が不要で、口頭や書面など特別な方式もありません。
単純承認には、「(任意の)単純承認」と「法定単純承認」の2種類があります。
② 法定単純承認:相続人に単純承認の意思がなくても、法律で定められた一定の行為をした場合に、自動的に単純承認をしたものとみなされること(民法921条)
相続放棄を検討している方がもっとも注意すべきは、②の「法定単純承認」です。
2. 法定単純承認と見なされる主な行為
民法で定められている法定単純承認の主な事由は、以下のとおりです。以下の場合、相続人が「相続する意思がある」と判断されて、相続放棄ができなくなります。
⑴ 相続財産の全部または一部を処分したとき
相続財産の処分は、最も典型的で注意が必要な法定単純承認の事由です。
① 故人の預貯金の引き出し・費消
② 故人名義の不動産の売却や賃貸
③ 故人が有していた債権の取立て
⑵ 相続の開始を知った時から3か月以内に、相続放棄や限定承認をしなかったとき
相続の開始を知った時から3か月以内(「熟慮期間」といいます)に、相続放棄や限定承認(相続する財産の限度で負債も相続すること)をしない場合についても、すべての権利義務を相続するものと扱われます。
⑶ 相続財産の全部または一部を隠匿・消費・悪意で財産目録に記載しなかったとき
これは、相続財産を不正に扱う行為を指します。
- 隠匿:財産の存在を隠す行為
- 消費:財産を使い消滅させる行為
- 悪意の不記載:裁判所に提出する財産目録に、わざと特定の財産を記載しないこと
また、相続放棄や限定承認が認められた後であっても、不正な行為があった場合には、相続放棄の効果が失われ、法定単純承認をしたものとみなされます。
3. おわりに
法定単純承認は、相続放棄を望む方にとって最大の落とし穴となり得ます。予期しない形で借金をすべて背負うことにならないよう、相続放棄を検討される際には、慎重な行動を心がけてください。
(文責 弁護士 大竹 裕也)
おかげさまでニュースレター199号!もうすぐ200号記念スペシャル!よつば所員に聞きました!ニュースレター意識調査
本ニュースレターも次号で200号を迎えます。いつも本当にありがとうございます。
そんな節目を前に、所員にニュースレターについて意識調査を行ってみました!
所員が選ぶ好きなコーナー第1位 「私のふるさと自慢」
この企画は、弁護士の故郷や所縁のある地を紹介しているコーナーです。穴場スポットや豆知識、美味しいご飯情報などを知ることが出来ます。弁護士がその地でどんなふうに育ち、過ごしてきたのかを想像するのも一興です😄笑
おすすめ記事
今までの記事で、好きな記事・印象に残っている記事のアンケートをとってみました。バックナンバーもあるのでぜひご覧ください🫶
「健康改善&ダイエット記録 vol.2 弁護士 大友 竜亮 編」
大友の玄米ダイエットや筋肉体操のレポートです。弁護士のプライベートでがんばっていることなどが垣間見れて興味深かったという声がありました。
「猫の日2月22日」
2022年2月号では猫の日にちなんで所員のねこちゃんを紹介しました。可愛くて癒される1ページです🐈⬛
「ワインが苦手な人のためのワインの選び方~第51回」
人気のワイン記事では第51回のワインに合うおつまみネタがおすすめ。柏事務所の近くにある京北スーパーで買えるワインも紹介しています🍷
「Good night!! 早く寝るコツ」
前原が「3秒で寝る」という驚異の趣味の秘策を教えてくれた記事です。「日中全力で駆け抜ける」ここがなによりも大事な気がします😴
「事務所の近況記事」
総会や経営計画発表会、弁護士写真撮影の記事もおすすめです。他の記事より写真が多めなので弁護士の珍しい表情も見ることができます。
いかがでしたでしょうか。他にもおすすめ記事はたくさん出たのですがスペースの都合上5つに絞らせていただきました。ぜひお気に入り記事がありましたら教えてください。
私のふるさと自慢― 第13回 米井 舜一郎 「広島県尾道市」 ―
私の生まれは広島県広島市で、高校を卒業するまで広島市で生活をしていました。
今回は、広島県の東側にある尾道市についてご紹介します。
1 はじめに
散策そのものが、この街一番の楽しみ方かもしれません。 情緒あふれる佇まいは多くの芸術家を魅了し、「時をかける少女」など、何度も映画のロケ地として選ばれてきました。
2 猫の町
尾道には、「猫の細道」と名付けられた路地があります。「猫の細道」は、猫好きにはたまらないスポットです。 ここでは、数多くの猫のオブジェが置かれています。 本物の猫とアートの猫、その両方と触れ合えるのがこの小道の魅力です。坂の町に暮らす自由気ままな彼らの姿に、誰もが癒され、つい足を止めてしまうことでしょう。
3 尾道ラーメン
子供の頃、今はなき老舗「朱華園」で食べた一杯は、忘れられない思い出の味です。 思い出の店が姿を消すのは寂しいですが、尾道には他にもたくさんの名店があります。どのお店も個性があって、甲乙つけがたいです。
4 足をのばして、「崖の上のポニョ」の舞台へ
5 おわりに
坂道から見下ろす穏やかな海の景色、路地裏で出会う人懐っこい猫たち、そして心と体を満たしてくれる一杯のラーメン。 尾道には、訪れる人の心を捉えて離さない、素朴で温かい魅力が満ちあふれています。 皆様もぜひ一度、この情緒あふれる港町を訪れてみてはいかがでしょうか。
(文責 弁護士 米井 舜一郎)
― 人生を元気で豊かにするお勧め書籍のご紹介 ― 『超 筋トレが最強のソリューションである 筋肉が人生を変える超・科学的な理由』 Testosterone 著 / 久保孝史 監修
1. はじめに
皆様、こんにちは。弁護士の安藤孝起です。
今月ご紹介するのは、タイトルが示す通り、「筋トレこそが人生のあらゆる悩みを解決する」という、少し極端にも思えますが、非常に力強いメッセージを掲げる一冊です。
2. 本書の内容
著者は、筋トレを単なる肉体改造と捉えるのではなく、自己肯定感の向上、集中力の増加、そしてメンタルヘルスの改善という、現代社会を生き抜くための「最強の武器」として位置づけています。
この本が説得力を持つのは、その主張が脳科学、ホルモン、神経科学といった「超・科学的な理由」に基づき、徹底的に裏付けられている点にあります。この科学的な切り口によって、本書が単なる啓発書以上の価値あるものになっていると感じました。
3. 日々実感する筋トレの重要性
実は私自身、数年前から筋トレに完全に魅了され、今でも週4日はジムに通うことを日課としています。弁護士として働く中で、複雑な案件の処理や、長時間の緻密な思考に耐えるには、体力はもちろんのこと、高い集中力、揺らがない精神的なタフさが不可欠だと、日々痛感しているからです。
この本で解説されるように、筋トレ習慣は心にもポジティブに作用します。以前は落ち込んでいたようなことにも冷静に対処できるようになり、ネガティブな感情に支配されることが格段に減りました。悩む時間があれば、とりあえず体を動かせばいい、というシンプルかつ前向きな思考回路が身についたのです。
4. 終わりに
本書は、「筋トレが最強のソリューション」であると強く断言しています。やや極端な提言にも聞こえますが、筋トレが、私たちのあらゆる問題を解決し、人生の質を向上させる素晴らしいものであることは間違いありません。
決してムキムキのマッチョになる必要はありません。目指すのは、困難な状況に耐えうる健康な体と、揺るがない精神力です。週に数回、少し汗を流すだけでも、人生の質は劇的に変わります。
皆様も、ぜひこの本を手に取り、まずは「今日からできること」として筋トレを始めてみてはいかがでしょうか。強靭な体と精神が、皆様の更なる成功をきっと後押ししてくれるはずです。
(文責 弁護士 安藤 孝起)
過去のコラムは当事務所サイトのニュースレターバックナンバーをご覧ください。
当事務所ニューレターバックナンバー
2025年も12月です。
皆様本年はどのような一年でしたでしょうか?
1. 健康に楽しくお酒をいただいた1年
私は、2025年は健康を重視した1年でした。毎日30分程度の運動(ジョギングまたはプール)、毎日筋トレを年始の目標にしていました。100%は無理だったものの、80%程度は達成しました。
健康に留意するため、お酒を飲む機会は比較的減っています。最近は月2回程度です。お客様にいただいたワインや、家族と飲む際のワインなど、1回1回を大事にいただきました。
2. 年末年始のおすすめ
年末年始は親戚などと会う機会も増えますので、楽しくお酒をいただきたいです。
やはり、年末年始はスパークリングワインがお勧めです。シャンパン(フランス)、カヴァ(スペイン)、プロセッコ(イタリア)など色々な呼び方がありますが、年末年始は特にスパークリングワインが華やかでよいですね。
ワインが苦手な方は、「(やや)甘口」「やさしい味わい」「マイルド」「フルーティ」「ライトボディ」というような表記があると比較的飲みやすいです。冷やすとアルコールの香りをあまり感じなくなることが多いです。
飲みやすい有名なスパークリングワインは「アスティ・スプマンテ」です。氷を入れて飲む方法もありだと思います。
2025年も1年間ありがとうございました。2026年も引き続きよろしくお願いいたします。
(文責 弁護士 大澤 一郎)
年末年始休業のお知らせ
平素は格別のご高配を賜り、誠にありがとうございます。
年末年始の休業期間について、以下お知らせ致します。
ご不便をおかけいたしますが、何卒ご了承いただきますようお願い申し上げます。
令和7年12月27日(土)~令和8年1月4日(日)