「こ~じのう掲示板」(高次脳機能障害に関わる情報を紹介している広報誌)に掲載されました

掲載紙面
千葉県千葉リハビリテーションセンターの高次脳機能障害支援センターの広報誌「こ~じのう掲示板」
こ~じのぅ掲示板 第39号

千葉県千葉リハビリテーションセンターの広報誌「こ~じのう掲示板」(高次脳機能障害に関わる情報を紹介している広報誌)に、よつば総合法律事務所が掲載されました。
また、弁護士今村公治が、「第3回家族のつどい」にて、「成年後見・高次脳機能障害のトラブル対応」についてお話させていただきました。
参考:千葉県千葉リハビリテーションセンター

担当弁護士からのコメント

千葉県の高次脳機能障害支援拠点機関の一つである千葉リハビリテーションセンター様からお声がけいただき、高次脳機能障害支援センター様主催の「第3回 家族のつどい」で講師を務めました。
高次脳機能障害のある方のご家族様に対して、「成年後見、高次脳機能障害のトラブル対応」というテーマで講演させていただきました。弁護士として実際に成年後見人を担当した経験をもとに、後見をつける方やそのご家族の方向けに、後見制度の内容をお伝えさせていただきました。講義のあとは、ご参加いただいた方々とグループワークで話し合う時間があり、参加者の皆様から様々なご質問をいただき、双方向で議論することができました。

講演の概要

  • 交通事故で弁護士が関わると何が変わりますか?
  • 本人の判断能力が落ちた場合に検討すべきことは何ですか?
  • 成年後見制度はどのような制度ですか?
  • 成年後見制度は、どんな人が利用するのですか?
  • 後見制度支援信託とはどのような制度ですか?

成年後見に関してよくあるご質問

Q判断能力について生活上の支障が生じてきた段階では、どのような手続きを検討したらよいでしょうか。
A常に判断能力がないというわけではなく、調子の変化によって判断能力がある状態でしたら、財産管理契約の締結、任意後見契約の締結、民事信託の利用、施設等への入居契約などを検討する余地があります。
また、判断能力が不十分であると感じた場合には、後見制度の申立て(補助や保佐に関する申立)も選択肢の一つになります。
日常生活自立支援事業の利用を検討するのもよいと思います 。(認知症、知的障害者、精神障害者等のうち判断能力が不十分な方が地域において自立した生活が送れるよう、利用者との契約に基づき、福祉サービスの利用援助等を行うものです。)
参考情報:任意後見契約の解説(日本公証人連合会)
参考情報:民事信託の解説
Q成年後見人がつくと後見人はどのようなことをするのですか。
A後見人の業務は、主に①財産管理と、②身上監護です。
①財産管理では、被後見人の財産の維持と、本人の意思を尊重することが大切になります。 (払いすぎても、ケチすぎてもいけない、被後見人の生活レベルに応じて支払う必要があります。)
②身上監護とは、身上監護に関する法律行為を行うことです。たとえば、介護に関する契約や、住居に関する契約、施設入退所契約などの締結をすることがあります。
また、後見人は、年に1回程、裁判所に、被後見人の財産状況や年間収支等について報告書を提出する必要があります(この裁判所への報告が少し手間がかかるところです。)。
参考情報:後見ポータルサイト(裁判所)
Q成年後見人をつけるメリット、デメリットを教えてください。
A成年後見人をつけると、次のようなメリット、デメリットがあります。
<メリット>

  • 詐欺被害や財産の散逸などが回避可能で、財産管理に関する親族の不安が減る
  • 後見人が、預金をおろしたり、不動産を売却したりできる(判断能力がない本人は売却等ができませんので、後見人が代わりに売却等をします。)
  • 専門職後見人が就けば、親族や周囲の方から財産管理に関して不信感を持たれる可能性が低下する

<デメリット>

  • 財産状況、収支状況を、裁判所に年に1回報告する必要がある
  • 一度後見開始すると、回復するか亡くなるまで後見制度が続く(=金銭的負担・事務負担がある)
  • 専門職など、今まで関りのない後見人が就くことがある(初めて会う人がいきなり、プライベートな事情を把握し、かつ、全財産を管理しはじめるので、場合によって不安・困惑することもあり得る)
  • 後見人に専門職(弁護士や司法書士など)が就くと、一般的な目安として月額2~6万円程度の報酬が必要になります。(報酬額は、管理する財産額や、特別難しい事情の有無などによります。)

参考情報